インデックス投資で難しいのが「出口戦略」です。「4%ルール」で取り崩せばいいのは聞いたことあるけど、どうやっていいか不安な方もいると思います。
今回は、「4%ルール」についてみていきましょう。
積み立てNISAでインデックス投資をしているんだけど、たまったお金はどうすればいいかわからないよね。
貯めるだけじゃなくて、使うことも考えていきたいよね。
「4%ルール」で取り崩せば資産が減らないっていうけど、どんな感じなのかもわからないし・・・
今から取り崩しのことも勉強しておきたいよね。
そうだね。
今は貯める時期かもしれないけど、取り崩しのことも知っておきたいよね。
インデックス投資の出口戦略
インデックス投資の出口戦略「4%ルール」には2種類あります。
①「引退時の資産×4%」の定額取り崩し
②「毎年の資産残高×4%」の定率取り崩し
名前が似ているため混同し、内容を勘違いしてしまう人も少なくありませんがどちらも「4%ルール」なんです。
「4%ルール」とは、年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費をまかなえるという考え方だ。年間支出が仮に250万円なら、6,250万円の資産を築いて年利4%で運用すれば、理論上は資産を維持したまま生活できるというわけです。
「引退時の資産の4%を定額で取り崩す」概要
そのまま、毎年定額で取り崩す方法です。
引退時の資産の4%を定額で取り崩す例
資産3,000万円を持って65歳で引退する場合
- 1年目の取り崩し額:120万円(3,000万円 × 4% = 120万円)
- 2年目の取り崩し額:120万円(3,000万円(引退時の資産額)× 4%)
- 3年目の取り崩し額:120万円(同上)
- 4年目以降も同様
計算は簡単で、引退時の資産の4%を淡々と取り崩していくのです。
上記の例なら120万円(3,000万円 × 4%)を定額で取り崩していくことになります。
普通に考えると、25年(3,000万円 ÷ 120万円)で資産がゼロになる計算ですが、し実際には、運用しながらの取り崩しで資産はもっと長持ちする計算です。
「4%定額取り崩し」の前提条件を見ていきましょう。
アメリカのトリニティ大学の教授3人が、「トリニティ・スタディ」という研究をしました。
その結果、30年経っても96%以上の確率で資産が残っていることが分かったのです。
- 対象期間:1926年~1995年の70年間
- ポートフォリオ:株式50%:債券50%
- 取り崩し率:年4%
さらに、複数のシナリオで検討したところ、中央値ベースで当初資産の8倍にまで成長したのです。
トリニティ・スタディ」の中央値シナリオ例
- 3,000万円をもって引退する。
- 4%に相当する120万円を、30年間取り崩し続ける。
- 30年後には、残高が2億4,000万円に増加した。
「トリニティ・スタディ」の対象期間である、1926年~1995年の70年間には、もちろん暴落や弱気相場も含まれています。
1929年のウォール街大暴落、1987年のブラックマンデー大暴落の中でも、4%ずつ定額で取り崩しているわけです。
その上での結果ということからも、皆さんが想像している以上に、資産は長持ちする可能性が高いのです。
「トリニティ・スタディ」の研究結果
前提条件
- 対象期間:1926年~2014年の88年間
- ポートフォリオ:株式50%:債券50%
- 取り崩し率:年4%
結果
- 30年どころか35年後に資産が残っている確率が96%
- 40年後に資産が残っている確率が86%もある
「引退時の資産の4%を低率で取り崩す」概要
そのまま、毎年定率で取り崩す方法です。
引退時の資産の4%を定率で取り崩す例
定率取り崩しの金額
- 資産1,000万円 → 約40万円
- 資産3,000万円 → 約120万円
- 資産5,000万円 → 約200万円
長期的に見た時の株式100%、債券100%、株式と債券が50%ずつの平均リターンを以下としています。
平均リターン
- 株式100%:約7%
- 債券100%:約4%
- 株式と債券を50%ずつ:約5.5%
株式と債券に50%ずつ投資した期待リターンである5.5%は、インフレ率の分だけ実質的には減少します。
インフレ率を年1.5%だと想定して、ポートフォリオの実質リターンは4%(5.5% - 1.5%)となります。
資産が4%ずつ増えるなら、4%ずつ取り崩しても資産は減りません。
ただ、定額で取り崩す1つ目の「4%ルール」とは違い、取り崩す金額は資産総額によって比例します。
資産を長持ちさせるための3つの工夫
- ポートフォリオの期待リターンより、小さいパーセンテージで取り崩す。
- インフレ率を高めに考慮する。
- 暴落相場では、取り崩し額を控えめにする。
特に3つ目の暴落についてですが、リーマンショック・コロナショックのような暴落相場は、過去を振り返ってみると平均数年程度しか続きません。
暴落時に資産を取り崩すのは「安く売る」ことなので、取り崩す金額を減らす調整がおすすめです。
相場が回復すれば資産額も戻るため、ほんの少しの調整をするだけで資産は長持ちします。
まとめ
「4%ルール」は定額法と定率法があります。
どちらも理論上は、資産が減らずに運用しながら取り崩しできるということですね。
年間支出の25年分をためて「4%ルール」で取り崩せば資産が減らずにFIREできるということですね。
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