「VOO」とはS&P500インデックスに連動させたETF
VOO」はティッカーで、正式名称は「バンガード・S&P500 ETF」です。
ティッカーとは米国銘柄の略称です。
このETFでは、米国の代表的なインデックスであるS&P500を構成している全ての銘柄へ投資が行われています。
つまり、S&P500に連動するよう運用されています。
「VOO」の保有銘柄(2020.6.30現在)
「VOO」の保有銘柄比率トップ10は次の通りです。
GAFAMに代表されるIT(情報通信)銘柄が、上位に並んでいます。
「VOO」の基準価額
次に基準価額と分配金の変化を見てみましょう。
まずは直近5年間の基準価額(NAV)です。
≪画像:監修者作成(2015.8.3から2020.7.31)参照:バンガード・S&P500 ETF(VOO)≫
チャイナショックやコロナショックの下落もありましたが、5年間で約1.56倍上昇しました。
「VOO」の分配金
四半期ごとに支払われる直近5年間の分配金は以下の通りです。
≪画像:監修者作成(2015.9.21から2020.6.29権利落ち日 参照:バンガード・S&P500 ETF(VOO)≫
直近4回(1年分)の分配金は$5.34となり、年1.8%程度の配当利回りです。
「VOO」は、緩やかですが確実に上昇しており、やはり長期投資に向いていると言える
でしょう。
「VTI」とは米国株式市場全体をカバーする
≪画像元:バンガード・インベストメンツ・ジャパン≫
「VTI」はティッカーで、正式名称は「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF」です。
このETFでは、S&P500を含んだ米国株約3,600銘柄への投資が行われています。
米国株式市場のほぼ全体の規模です。
中小クラスの銘柄も投資対象になっているのが、「VOO」との大きな違いです。
「VTI」の保有銘柄(2020.6.30現在)
保有銘柄比率のトップ10は以下の通りです。
トップ10の構成は「VOO」と全く同じですが、銘柄数は「VTI」の方が多いので構成比率は全体的に下がっています。
「VTI」の基準価額
次に「VTI」の基準価額と分配金の変化を見てみましょう。
まずは直近5年間の基準価額(NAV)です。
≪画像:監修者作成(2015.8.3から2020.7.31) 参照:バンガード・S&P500 ETF(VTI)≫
直近5年間では、こちらも約1.52倍上昇しました。
「VTI」の分配金
四半期ごとに支払われる直近5年間の分配金は以下の通りです。
≪画像:監修者作成(2015.9.25から2020.6.25権利落ち日) 参照:バンガード・S&P500 ETF(VTI)≫
直近4回(1年分)の分配金は2.90USドルとなり、VOOと同じく年1.8%程度の配当利回りです。
以上のことから、「VTI」も右肩上がりで、十分検討に値する優れたETFである
ことをお分りいただけたと思います。
「VTI」と「VOO」はどちらがよいのか
VOOはIT(情報・通信)企業を27.5%組み入れており、ヘルスケアの14.7%と合わせ、42.2%が「ウィズコロナの適合銘柄」となっています。
またVTIは同じくIT(情報・通信)企業が26.4%組み入れていますが、ヘルスケアは4位であり、金利低下や貸倒引当金を積む必要がある金融が上位にあり、VOOと差が出ています。
今後、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの先端情報技術はさらに発展していくと同時に、新型コロナ対策で活況が見込まれるヘルスケアの2本柱はここ1年間の注目セクターです。
「VTI」、「VOO」は優秀なETFですが、結局どちらがよいのでしょうか。
ウィズコロナの環境では、株式相場全体がV字やU字回復することはなく、「K字」型に上昇すると見ています。
K字型とは、上昇する銘柄と下落が続く銘柄の二極化がはっきりするということです。
その意味で、ウィズコロナに適合したセクターが多く採用され、かつ銘柄数が絞られているVOOの方が上昇期待が高くおすすめします。
ただし11月の米国大統領選挙までの期間は、乱高下が激しくなると予想されますので、10月までのここ3か月が投資する良いタイミングだと思います。
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