1.金融商品としての金の特徴
金には鉱物としての特徴のほかにも、金融商品としての特徴があります。それは、金そのものが価値を持っていることから、世界のどこででも通貨と換金できるということです。
また、政治や経済の混乱、紛争やテロなどといった地政学的リスクが高まったときこそ強さを発揮する資産としても知られており、「有事の金」として重宝されてきた歴史があります。
さらに、株式や債券とは値動きが異なるという特徴もあるので、分散投資を行う場合には組み込みたい金融商品でもあります。
2.金価格の値動きの特徴
2.金価格の値動きの特徴
金はそれ自体に価値があり、その価値ゆえに世界のどこでも換金できる。「有事の金」と呼ばれるように、政治・経済の混乱やインフレに強い資産として投資家に好まれてきた。
金価格の変動要因としては、①需要と供給のバランス、②米ドルの価値、③各国の経済動向、④各国の金利の状況、⑤原油等の資源価格、⑥地政学リスク、⑦多量に保有する政府・年金基金等の参入、などが挙げられる。
一般的には、例えばインフレによって通貨の価値が下落する場合、または地政学リスクが高まって米ドルを回避するような動きがある場合などで、金価格は上昇することが多いといわれている。
なお、金は国際的に米ドル建てで取引されることから、日本の投資家が日本円で金に投資する場合、国際的な金価格の値動きだけでなく、米ドル/円の為替相場の影響も受ける(円安になると国内金価格が上がる、円高はその逆)。3.金関連の投資信託とは?
3.どんな商品?
「投資信託(ファンド)」は、多くの投資家から資金を集め、その資金で、運用の専門家(ファンドマネージャー)が、運用益が期待できそうな株式や債券などを選んで運用し、出た利益を、出資した投資家へ分配する金融商品です。
運用対象が、金や金に関連する金融商品を含む投資信託、あるいは金価格に連動することを目指す設計の投資信託が「金関連の投資信託」です。これらはおおむね、金価格に連動するため、保有時の損益も金価格に連動する傾向があります。
4.おすすめの金ETF
SPDR®ゴールド・シェア(コード:1326、ティッカー:GLD)
NY証券取引所と東京証券取引所に上場されており、純資産300億ドル以上で金ETFでは最大規模となります。東証には円建てで上場されており、現在1口13,000円前後で購入することができます。信託報酬は0.4%(税抜)と低く、現物金との交換はできませんがリスクヘッジとしての長期保有に向いているETFです。
ベンチマーク:LBMA金価格(旧ロンドン値決め価格)
純金上場信託(現物国内保管型)(コード:1540)
三菱UFJ信託銀行が発行するETFで、純資産が2017/1/20現在で約400億円超と国内最大の金ETFです。信託報酬は0.49%(税抜)とやや高くなりますが、国内の金ETFで唯一1kg以上から金現物と交換ができるため人気を集めています。現在1口5,000円前後で購入できます。
ベンチマーク:TOCOMの金先物価格
ETFS金上場投資信託(コード:1672)
信託報酬が0.39%(税抜)と金ETFの中では最も低いので長期保有に向いたETFです。金現物保有もしているETFなので、上記2銘柄と同様安心できます。現在1口13,000円前後購入できますが、現物との交換はできません。
超長期ならば海外ETFへ直接投資
日本国内に上場されている金価格は円換算されるため、良くも悪くも為替リスクにさらされています。下図はSPDR®ゴールド・シェアをドル建て価格と円建て価格の比較チャートと米ドル円のチャートです。金が大きく上昇している時期には円高つまりドル売りが進み、円建て金価格は上げ幅を抑えられてしまい、反対に円安の時には金価格が下がっても円建て価格は下げ幅が抑えられます。
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