1.米国株(アメリカ株)を始めるなら初心者にはETFがおすすめな理由
史上最高値を年々更新し続ける、米国株指数への注目が高まっています。米国株に投資をしたいと思っても、米国株市場に上場する銘柄は6,000以上あります。日本の証券会社でも、半数以上の銘柄が購入できます。
ここでは、米国株投資におすすめの証券会社と、投資初心者から中級者におすすめの米国株投資方法を紹介していきます。
2.米国株のメリットとは
米国株のメリットは主に次の3つです。
- 1株から買える
- 基本的に値上がりし続けている
- 3ヶ月に一回配当がもらえる
日本の株は、基本的に100株単位でしか取引できないため、株式を購入するためには数十万円単位の資金が必要になります。
しかし、米国株の場合には、アップル、Google、Microsoftといった、有名企業を含めた全ての株を1株単位で購入できるので、数千円~数万円程度から投資をすることができるのです。
米国株投資用の口座には、銘柄数が多い口座を選ぶのがおすすめです。
3.米国株のETFとは
米国ETFとは、米国の証券取引所に上場し、市場で売買できる「投資信託」のことです。S&P500に代表される米国の指数をはじめ、さまざまな指数のベンチマークに運用されることが多いといわれています。
一般の投資信託と違う点は、市場に上場していることです。そのため、株式を売買するのと同じように市場が開いている取引時間中に売買できます。
しかし、その中身は「投資信託」です。
米国株のETFには、NYダウやS&P500といった代表的な株式指数との連動を目指すものをはじめとして、債券の指数に連動するもの、再生可能エネルギーなど特定のテーマの指数に連動するものなど、さまざまな種類があります。
それらのベンチマークに則って、組み込まれた銘柄などの運用はすべて資産運用のプロが行っています。
4.米国ETFが初心者におすすめの理由
日本の証券会社で購入できる3,000銘柄を超える米国株の中から、どれがよいか自分で選ぶことは、投資初心者にとって砂漠でダイヤを探すようなものです。しかしETFならば専門的な知識がなくても1銘柄購入するだけで、分散投資が可能です。
米国株のETFはいくつかの種類があり、多くが何かしらの指数と連動するように作られています。そのうちの一つである、S&P500との連動を目指した「バンガード・S&P500ETF」を1銘柄購入すれば、米国株500株に分散投資ができます。
最低単元の1株ずつでも500株を購入するにはそれなりの資金が必要ですが、ETFであれば、少額から投資することができます。まずは試しにお小遣い程度から米国株投資を始めたいという初心者にも手が出しやすい仕組みとなっています。
このようにETFを購入するだけで分散投資を行い、結果としてリスク分散をすることができるのです。
5.米国の高配当ETFの特徴とは?
前述したように、米国市場で売買されている配当利回りの高いETF(上場投資信託)です。
NYダウやS&P500などの指数に単純に連動するのではなく、高配当な銘柄を中心に組み入れられたものです。
株価にもよりますが、市場の配当利回り平均が約1.5%〜2%程度である中で、高配当ETFは3〜6%程度あるところが大きな特徴。
株式の利益には、株価の値上がり益を狙う「キャピタルゲイン」と、配当金をもらう「インカムゲイン」の2種類がありますが、高配当ETFは「インカムゲイン」に狙いを絞ったETFと言えるでしょう。
成長株か配当重視か?
投資家の好みやスタンスによるので正解のない問いではありますが、株価の変動を読むのはプロでも難しい反面、配当金は企業の業績が大きく悪化しない限りは安定的に支払われるため収益の見込みが立てやすいのです。
米国株は日本株に比べて業績堅調な高配当銘柄が多いことからインカムゲイン狙いの投資に適しているといえます。
6.米国の高配当ETFに投資するメリットとは?
インカム狙いの投資にはうってつけの米国の高配当ETF。そのメリットを端的にあらわすとすれば、
- 高配当銘柄は値動きがマイルド
- 高い配当の再投資で投資効率が向上
- 個別株リスクを限りなくゼロにできる
①:高配当銘柄は値動きがマイルド
そもそもETFは数十〜数百銘柄に及ぶ企業に分散投資されているもの。かつ高配当銘柄は業績が安定している企業が多いので、高配当ETFは値動きがマイルドな傾向があります。
例えば、高配当株の代表とも言える公益株を想像してもらうとわかりやすいと思います。公益企業は、電気やガス、水道といったインフラに関わる企業で、景気や経済動向に左右されない安定した収益をあげることが可能。
反面、公益企業は、総じて安定配当で高配当利回りですが、売り上げなどの業績を大きく伸ばすことができないこともあり、投資家からの売買が少なくなり株価の上下動が小さくなる傾向にあります。
高配当ETFは、こういった企業の割合が多くなるわけですから、必然的に値動きがマイルドになりますね。
②:高い配当金の再投資で投資効率が向上
これは「シーゲルの投資の要点とは?」にもまとめていますが、高い配当金を出す成熟企業に投資して、この配当を再投資することによって高いリターンが期待できるんですね。
以下の図は、米国で1871年に株式を1000ドル購入して、
①配当を再投資したキャピタルゲイン + インカムゲインの場合
②配当を再投資しなかったキャピタルゲインのみの場合
のリターン比較です。
出典:「株式投資の未来」より
これを見ると配当を再投資した場合のトータルリターンが大きくなるのがわかりますね。なので高配当ETFによって得られた配当金を再投資に回すことで、圧倒的に投資効率が高くなるというわけです。
③:個別株リスクを限りなくゼロにできる
これは高配当ETFというよりもETF全般にいえることですね。
いくら景気や経済の動向に影響を受けづらいと言われているディフェンシブ銘柄でも、一時的な業績悪化や悪いニュースで株価が大幅に下落することは良くあることです。
一つの個別銘柄に集中投資するのはリスクが高いということですね。例えばクラフト・ハインツ。
”投資の神様”であるバフェットが保有している銘柄で、歴史のある食品銘柄ということで業績鉄板、配当利回りが高く人気の銘柄でした。しかし2019年2月の決算が悪く減配したこと、粉飾決算疑惑があったことから翌日の株価は30%近く暴落。
なのでETFのメリットは、このような個別銘柄のリスクを銘柄の分散を図ることで限りなくゼロにすることができるということです。1つの銘柄の株価が下がっても、他の銘柄でカバーできるからですね。
さらに米国株の中でも配当が高い銘柄に着目した米国株 ETF を購入すれば、リスクを抑えながら高い利回りが期待できるというわけです。
とはいえ、米国株に投資する魅力は高配当で長期間連続増配している個別銘柄が多いこと。中には7%を超える銘柄や60年以上連続増配している銘柄も。おすすめの銘柄について以下の記事にまとめています。
7.おすすめの高配当ETFランキング3選
これまで米国の高配当ETFの特徴について見てきましたが、最後に”米国高配当ETFといえばコレだ!”というものをランキング形式で。
結論はVYM、SPYD、HDV、DVYです。
8.「米国高配当ETFのおすすめ」まとめ
今回は、米国の高配当ETFがおすすめな理由について述べてきました。
色々書いていますが、ETFの最大のメリットは個別株のリスクが限りなくゼロであるということ。加えて高配当であるわけですから、配当金を再投資することで投資効率を高めることが可能になるのです。
以前に比べ、米国ETFへの投資は大手のネット証券などから手軽に行うことができるようになりました。
長期保有を前提として、米国の高配当ETFはポートフォリオの主力として十分におすすめできる商品であるといえます。
ぜひ参考にしていただければと思います。
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